2011年2月24日(金)
広島県酒造組合では、日本酒の魅力をたくさんの人に知ってもらおうと、新酒の仕込みがピークを迎える1〜3月に「蔵見学会」を開いています。
杜氏から酒造りにかける熱い思いを聞いたり、出来たての原酒を試飲したりと盛りだくさんの内容で、リピーターも少なくありません。
今年は、賀茂泉酒造(東広島市)、榎酒造(呉市)、西條鶴醸造(東広島市)、三宅本店(呉市)、藤井酒造(竹原市)、亀齢酒造(東広島市)、賀茂鶴酒造(東広島市)の7蔵で開催しています。
その中から、2月19日(土)に行われた三宅本店の見学会の様子をご紹介します。見学会には、広島市や東広島市、竹原市から、外国人4人を含む男女24人が参加。仕込み作業を見学し、お酒を飲み比べたほか、日本酒がつくる美肌・健康についての話も聞きました。
蔵見学 「手塩に掛ける」が芳醇さの秘訣
杜氏の瀬戸富夫さんの案内で、2つの蔵を見学しました。酒の元となる酒母(しゅぼ)を作る酒母室には、ずらりとタンクが並びます。のぞくと、乳白色の泡がブクブク、ブクブク…。少し甘酸っぱい、フルーティーな香りが辺りに漂います。香りは、発酵の進み具合で異なるそうです。
隣の作業場では、もろみの「三段仕込み」を見せてもらいました。「沈殿している米と麹を水や酒母と均一になるよう、何度もかき混ぜます」と瀬戸さん。長さが4メートルもある長い棒で、巨大なタンクをかき混ぜる作業を手伝うと、棒を少し上下に動かすだけでじっとり汗ばみ、息遣いが荒くなりました。
できたもろみは、温度を管理しながら約3週間寝かした後で搾り、火入れ。さらにじっくり熟成させるそうです。参加者たちは、「こんなに丁寧に、手間ひまをかけて造るんだねえ」と驚いていました。
蒸したての酒米の味見もしました。炊いた米と比べるとモサモサするので、「この蒸し米が本当にあんなに芳醇なお酒になるの?」と皆びっくりしていました。
日本酒講座 体にいいワケ
講師は、国内屈指の酵母の研究者、製造課の山根健さん。酒造りに適したお米の条件として、(1)でんぷん質の詰まった中心の白い部分が大きい、(2)中が軟らかく外が硬く蒸し上がる―の2つを挙げます。いい麹を作り、もろみの中でよく溶けて発酵が進むからです。
そんなお米で作った日本酒は、焼酎など蒸留したアルコールと違って米の成分がそっくり入っているため、200種類もの栄養分が含まれているそうです。「特に、疲労回復やがん予防などに効果があるといわれるアミノ酸を摂取できるので、『晩酌に一杯』をお薦めします」と山根さん。
「五感で味わう」という通の飲み方も教わりました。まずは、注ぐとき。搾りたてならではの炭酸の弾ける音に耳を傾け、色、香りを楽しむ…。口にふくんで舌全体に広げて風味を、そしてのどごしを確かめます。最後は、鼻から息を抜いて、口の中の香りを堪能します。
Osakeテラピーで知る 女性にうれしい美肌効果
最も女性の参加者が熱心に聞き入ったのは、お酒テラピー担当の三宅慶子さんの話。テーマは、「美の効果」です。
三宅さんは、日本酒の美肌効果について、(1)ほかのアルコールより体温が上がり、血行が良くなる「つやパワー」、(2)清酒に含まれる成分が、肌から水分の蒸発を防ぐ「もち肌パワー」、(3)メラニン生成を抑える「美白パワー」の三つを挙げます。日本酒を入れた風呂は毛穴を広げて老廃物を取り除くだけでなく、血行が良くなるので、風邪予防や肩こりの解消にも効果があるそうです。会場には、女性たちのメモを取る音や、感嘆のため息が響きました。
講座の後で、会社の歩みをまとめたDVDを鑑賞。徹底した品質管理の下でびん・紙パックに詰める工場を見学し、原料の米や精米度の異なる三宅本店のお酒の飲み比べもしました。
夫婦で参加した50代の男性は「杜氏さんの案内が良かった。どんな場所でどんな人たちが造ったのか分かったので、酒の味わい方が変わりそう」としみじみ。自他共に認める日本酒ファンの米国人夫婦は「伝統の味や品質を、新しい技術で保つ頑張りに心を打たれた」「味も香りも完璧なお酒と出合えた」と興奮していました。
最後は、日本酒に合う料理を囲んでの懇親会。初めて酒蔵を見学したベトナム人女性は「料理に合っておいしいし、話が弾んで幸せな気持ちになれる…。だから、日本酒で美しく元気になれるのかも」と納得した様子でした。
広島県酒造組合では、蔵見学をはじめ、女性に日本酒に親しんでいただくためのOsakeテラピーなど、さまざまなイベントを開催しています。ぜひ、ご参加ください。



