イベント情報

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2018年度蔵見学会

2018年度蔵見学会イベントリポート

2018年3月10日(土)

賀茂鶴酒造写真

広島県酒造組合では、毎年仕込みの時期に広島県の蔵元を訪ねる「蔵見学会」を実施しています。今年は2月10日(土)に三宅本店 (呉市)からスタートし、賀茂泉酒造(東広島市)、亀齢酒造(東広島市)、賀茂鶴酒造(東広島市)、藤井酒造(竹原市)の5つの蔵で行いました。その中から、3月10日(土)の賀茂鶴酒造の見学会の様子をご紹介します。

賀茂鶴酒造は大正7(1918)年に会社設立、今年で100年を迎えます。酒銘「賀茂鶴」の命名はさらに明治6(1873)年までさかのぼります。昭和33(1958)年、業界に先駆けて発売された大吟醸「特製ゴールド賀茂鶴」は、平成26(2014)年4月にオバマ米大統領(当時)が安倍首相と会食した際に提供され、有名寿司店で仲良くお酌する姿が報道され話題を呼びました。平成28(2016)年4月、広島市で行われたG7外相会談の際の会食でも賀茂鶴で乾杯が行われました。同年11月には、岸田外相(当時)とケネディ米駐日大使(当時)の会食でも広島名物・お好み焼と共に賀茂鶴のお酒が供されました。

今回の蔵見学会には女性を中心とした18名が参加しました。最初に一号蔵で日本酒の製造工程を紹介したDVDを視聴、製造担当の荒巻さんからお酒と健康・美容のお話を伺いました。その後、稼働中の八号蔵へ。杜氏の沖永さんらの案内で、実際にお酒を醸しているところを見学しました。一号蔵へ戻ってきき酒クイズが行われた後、賀茂鶴直営の和洋食レストラン「佛蘭西屋」に移動。懇親会では賀茂鶴のお酒に合わせて用意されたフランス料理を楽しみました。

賀茂鶴酒造写真

賀茂鶴の酒づくりとお酒の豆知識

蔵見学へ一号蔵ではDVDを見たあとに荒巻さんから説明がありました。賀茂鶴の名前の由来は、「醸す」の「かも」に旧地名の「賀茂(かも)」を充て、縁起のよい鳥である瑞鳥を意味する「鶴」とあわせたものだとか。「"かもつる"とにごらずに読みます。清酒ですからにごらないんですよ」。賀茂鶴の酒はすべて広島産の米を使用。夏の日差しで育った良質の米は、酒造に最適な西条盆地の寒さで美味しい酒になります。大吟醸の原料米はなんと100時間かけて32%まで精米されます。そして造りに入ると今度はスピードが勝負。3回に分けて仕込む並行複醗酵で、酵母の数を減らさないよう作業はテキパキと進められます。

続いて披露された様々なお酒の豆知識の中で「燗上がり」に感心の声が上がりました。コクのあるタイプや熟成タイプのお酒にお燗をつけるといっそう美味しく感じる現象を「燗上がり」と呼びます。人間の味覚は、甘みは体温付近の温度で強く感じ、苦味は温度が高くなると弱く感じるそう。そのため、常温では多少苦味を感じた酒も、お燗にすることで甘みを強く感じて味の調和がよくなり美味しく感じられるとか。日頃実感している人が多いのか、参加者は大きくうなづいていました。

蔵見学


稼働中の酒蔵の中を見学

稼働中の酒蔵の中醗酵の仕組みが解明されていなかった古い時代、蔵には酒の神が宿っていて酒造りを司っていると信じられていました。今でも蔵は酒造りに関わる人にとってとても神聖な場所です。しめ縄が張られ、杉玉がつるされた八号蔵の入口をくぐると一同気持ちが引き締まります。各自、不織布のキャップをかぶり手をきれいに洗ってアルコール消毒してから中へ入ります。賀茂鶴では毎年11月中旬から蔵入りし、4月中旬くらいまで酒造りを行います。賀茂鶴の3つの蔵を合わせると、毎年米にして5万袋、一升瓶の本数で約150万本が造られています。

参加人数の都合で2グループに分かれて、最初に麹室を見学。蒸米にもやし(種麹)をふりかけて麹を作る部屋です。麹の良し悪しがその後の酒の品質を決めるので、温度の管理などとても慎重に行われます。次に麹を冷やし乾燥させる麹枯らし室へ。表面積を増やして効率良く冷ますためならして筋をつけています。麹を試食してみるとほのかに甘い味がします。続いて酵母を増やすための酒母を作る部屋へ。麹、蒸米、水に酵母を加えてタンクの中で2週間醗酵させます。タンク横からのぞくと白い泡がぶくぶくとたっています。炭酸ガスを発生しているので「鼻がつーんとする」という人もいれば、「バナナのようないい香り」という人もいます。

仕込みが行われている醪発酵室へ。タンク1つで1升瓶4000本の日本酒ができるほどの大きさで高さが数メートルあります。そのためタンクの肩の高さに2階の床を揃えており、仕込み作業は2階から行います。1日目の仕込みが初添え、2日目は休ませて3日めの仕込みが仲添え、4日目の仕込みを留添えといいます。その後、朝夕にもろみの温度や成分を記録するなど厳重に管理するそうです。場所を移動して洗米機、浸漬機、甑、そして「やぶた」という自動しぼり機を見学。しぼりたての酒粕を試食すると、フレッシュチーズのような風味がしました。

稼働中の酒蔵の中


きき酒と懇親会

一号蔵へ戻ると10種類のお酒が用意されており、きき酒クイズが始まりました。甘辛度を当てる3本、度数を当てる3本と、銘柄マッチング4本の合計10本のお酒を各自きき酒しながら解答用紙に書き込みました。答え合わせはその後の懇親会で行いました。場所を移動して賀茂鶴直営の和洋食レストラン「佛蘭西屋」へ。1階が洋食、2階は和食を提供します。今回は1階で日本酒に合うフランス料理を楽しみました。藤原シェフが料理とお酒の説明をします。今回は広島錦という原料米を使った純米酒を用意。料飲店専用で市販されていないスペシャルなお酒と聞き、参加者の期待が膨らみます。そして沖永杜氏の挨拶で乾杯!参加者同士話も弾んですっかり打ち解けた様子でした。

きき酒と懇親会


編集後記

参加者の皆さんにお話を伺いました。「普段飲んでいるお酒が、お米からお酒になるまで、造っている過程を全部見られて面白かった」。「杜氏の方のお話が直接聞けるまたとない機会。来年もぜひ参加したいですね」と喜んでおられました。今回、懇親会の会場になった「佛蘭西屋」はディナーはもちろん、お昼のランチも揃うので、また気軽に利用してみたいですね。

編集後記

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